2008年1月31日木曜日

循環型社会をめざして

古紙の不正申告は17社 業界ぐるみ偽装裏付け【iza】01/25 20:15更新http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/118161/TrackBack/

記事本文  製紙会社の業界団体である日本製紙連合会は25日、都内で古紙配合率に関する会員企業の実態調査結果を発表した。コピー用紙などを製造する24社中、17社から何らかの偽装が申告された。製紙業界内で古紙偽装が蔓延(まんえん)していたことが裏付けられた格好だ。 記者会見した製紙連の鈴木正一郎会長(王子製紙会長)は「違反の多さを残念に思う」と述べた。業界内での談合疑惑については、「(違反内容は)各社でかなり違う」と否定した。そのうえで、白色度など品質基準が高まる一方、高品質古紙の入手が困難になり、「技術の限界があった」との弁明を繰り返した。

 調査は経済産業省の要請を受け実施し、加盟企業全38社から23日までに回答を得た。昨年10~12月の生産・出荷について質問しており、「再生紙はがき」で6社、「他者に誤解を与える製品」で13社、「グリーン購入法対象製品」で14社が不正があったと回答した(重複あり)。 一方、製紙連から調査報告を受けた経産省は、製紙連など関係4団体に対し、在庫製品の取り扱いについて商品表示を訂正、削除して消費者を誤認させないことなどを文書で要請した。文具メーカーなど一部の顧客からは、偽装が判明した再生紙製品を返却する動きもでてきている。 予想以上の不正に経産省は「古紙配合率の確認体制など、企業を疑ってかかる制度にする必要も含めて考えたい」(紙業生活文化用品課)と、規制強化に向け検討を始める意向だ。 製紙連はこの日、「古紙配合率問題検討委員会」(委員長、関口裕・王子製紙専務)の初会合を開き(1)再生紙の定義、表示のあり方(2)科学的な分析困難な配合率の担保方法(3)環境と古紙配合のわかりやすい説明(4)コンプライアンスの強化-について議論していくことを確認した。

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 偽装を働いていた製紙メーカーが許されないのはいうまでもありません。また、大手を含む多くのメーカーが、「右にならえ」という感じで揃って偽装を働いていたことは言語道断です。

 以前、「再生紙」は環境保全にならないという趣旨のエントリを書きましたが、こういうことをされると正しい議論もできなくなります。食品と違い、直接的な被害者がでるわけではありませんが、こうした体質を許さないために、行方を見守りたいと思います。

 というのは大前提として、古紙については腑に落ちない点がたくさんあります。

 昔は、新聞の回収車などが地域を廻って商売をしていました。古紙回収は利益になるということです。それが再生紙として循環していたのが、なぜか、その姿を見ることはなくなりました。昔よりも環境に配慮する機運が高まっているのになぜでしょう。

 そして、こんなニュースもありました。
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 ごみ持ち去り:古紙回収業者らに逆転有罪判決 東京高裁http://mainichi.jp/select/today/news/20071211k0000m040051000c.html

 ごみ集積場から古新聞などを勝手に持ち去ったとして、東京都世田谷区の清掃・リサイクル条例違反に問われた古紙回収業者3人に対し東京高裁は10日、1審の無罪判決を破棄し、それぞれに罰金20万円を言い渡した。中川武隆裁判長は「持ち去り行為は横取りというべきもので、最終的に刑罰で禁止する必要性は十分認められる」と指摘した。

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 古紙回収はやはり、採算の成り立つ事業なのです。きちんとしたサイクルができていたはずなのに、そこに行政が首をつっこんで、いつしか税金で回収するようになりました。

 税金を投入しているにもかかわらず、古紙の値段は上がりつつけ、しかも、需要をみたせないほど枯渇するようになった。

 どういうことなんでしょうか。

 「環境にやさしい」という言葉で思考を停止させてはいけません。
人の善意につけこむような話がゴロゴロしています。


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