2008年1月27日日曜日

テロとの戦い

オウムも上祐派も集金力維持、セミナーで計1億円
(2008年1月27日03時04分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080127-OYT1T00043.htm

 オウム真理教と、教団から分裂した上祐史浩元代表(45)の新団体「ひかりの輪」が、昨年4月から今年1月にかけて、それぞれ3回の「集中セミナー」を開き、参加料や教材購入費などとして計約1億円を集めていたことが、公安当局の調べで分かった。

 公安当局は、教団分裂前とほぼ同程度の集金力を維持しているとみて警戒している。

 上祐派は昨年3月に教団を離脱し、5月に新団体を発足させた。両団体は、昨年4~5月のゴールデンウイークと、8月のお盆の時期に、それぞれ集中セミナーを開催。また、この年末年始にも、両団体は約1週間の日程でセミナーを開き、教団は約2百数十人の参加者から3千数百万円を、新団体は70~80人程度の参加者から700~800万円を集めたという。

 公安当局によると、両団体が3回のセミナーで集めた資金の総額は、教団が約8000万円、新団体が約2000万円に上るとみられる。教団のセミナーで松本智津夫死刑囚(52)の説法ビデオを長時間、参加者に視聴させたほか、新団体は松本死刑囚が過去に行っていたものと同様の「聖地巡礼ツアー」を実施するなどしており、公安当局は両団体はいずれも松本死刑囚の影響下にあると見ている。

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 地下鉄サリン事件は、いうまでもなく悪辣で残虐なテロ行為でした。多くの死傷者を出し、日本の安全神話を崩壊させ、世界に化学兵器によるテロの恐怖を広めた事件です。

 首謀者であったオウム真理教の指導者、松本智津夫は裁判にかけられ、教団も解体させられましたが、果たして、オウム事件というのが何だったのかというのは、公判過程を経た現在においてもはっきりしません。

・TBS『ブロードキャスター』のコーナー「お父さんのためのワイドショー講座」によると、1995年の1年間にワイドショーがオウム真理教関連の話題を報じた時間数はのべ1272時間19分5秒。2位の阪神・淡路大震災の126時間8分53秒に約10倍の差をつけての首位だった。ちなみに、この年のワイドショー全体の67.8%をオウム真理教関連の話題が占めていた。

・あまりにも前代未聞な事件だったこと、オウム報道によって犯罪報道の比重が高まったために、犯罪が特に増えているわけでもないのに治安の悪化を感じる国民が増加し厳罰化など以後の刑事政策に影響を与えた。
(Wikipediaより抜粋)http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%A6%E3%83%A0%E7%9C%9F%E7%90%86%E6%95%99

 事件についての報道が、これだけ多かったにもかかわらず、というよりも、枝葉の情報が氾濫した結果、本質的な総括がされないまま、いたずらに時を過してしまった感が否めません。

 狂信的カルトであってもカルトなりに内在する論理があるものですが、動機は国家転覆、といわれても、そこに至る過程がまだまだ明らかになっていない部分も多く、特に外事に関する部分、つまりロシアや北朝鮮とつながりを持っていたとされる一部報道や、当時、口封じと呼ばれた、オウム幹部の村井暗殺事件など、真相究明が進まない闇の部分が数多くあります。

 そして、かつてオウムの中心的存在であった人々によって、新たに名前を換えて活動する組織がこれだけの団体に成長しているというのはどういうことなのか。

 かつて、アメリカの騒擾を狙った9.11事件に対して、アメリカは戦争を行い、今も様々な地域に軍隊を送りテロに連なる組織への作戦を展開しています。

 それがいい、というわけではありませんが、同様にテロが行われた日本の対応とは天地ほどの違いです。

 裁判が行われ、上告中を含めて13人ものオウム関係者が死刑を言い渡されています。その一方で、いまだ、救済されない被害者にとっては、過去の事件ではありません
そして、過去の事件の解明が行われない限り、再びこのような凄惨な事件が繰り返されない保障はないのです。

参考ページ
http://www.alpha-net.ne.jp/users2/knight9/aum.htm


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