2008年1月21日月曜日

言うべきことを言う。

地方が揮発油税の暫定税率維持を要請 国と地方の意見交換会
【産経ニュース】2008.1.2109:46
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/080121/lcl0801210946001

 「国・地方の定期意見交換会」であいさつする全国知事会会長の麻生渡福岡県知事(中央)=21日午前、首相官邸 国と地方の「定期意見交換会」が21日午前、首相官邸で開かれ、3月末に期限切れとなる揮発油税の暫定税率維持を目指し、協力していくことで一致した。

 意見交換会では全国知事会の麻生渡会長(福岡県知事)が「暫定税率が廃止されると9000億円が減収になってしまい、地方財政に甚大な影響を与える。政府方針通り、税率維持をお願いしたい」と要請。これに対し、増田寛也総務相は「地方団体にも支援と理解をお願いしたい」と述べ、暫定税率維持で政府と地方が結束していくべきだとの考えを示した。

 暫定税率をめぐっては、税率維持を目指す政府が歳入関連法案(日切れ法案)の年度内成立を目指すのに対し、民主党は期限延長に反対しており、通常国会の焦点の一つになっている。

 福田内閣での意見交換会は昨年11月に続き2回目。政府側は増田総務相のほか町村信孝官房長官や冬柴鉄三国土交通相らが、地方側は全国知事会など地方6団体の代表が出席した。

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 「改革派知事」というのは昔から言われていた呼び方でしたが、その層がだんだん厚くなり、少しずつ大きな動きへと変わろうとしています。都道府県知事の地位は「大統領制」に例えられる非常に強力な地位なのですが、官僚主導のこの国にあって、また、県庁においても自治労のような、おかしな組織に侵食されながらも、ようやく国政に対してきちんと対話できるようになってきたのは良いことだと思います。

 「地方の時代」とか、「地方への権限委譲」とか口先で言っていても、その能力が地方になければ、お題目にしかなりませんから。

 さて、「さぁ、ガソリン国会だ」と息をまいてる人たちがいますが、道路を作るために集める税金は廃止にするが、道路は作り続ける、というのはどういう理屈なのでしょうか。予算の裏打ちのない約束は、"空手形"と呼ばれて相手にされないのが普通だと思うのですが、なんでそんなことで盛り上がっているのか、さっぱりわかりません。

 ついでに、町村官房長官からは「ガソリンを25円下げるかどうかだけで国民の信を問うのはテーマ設定が小さすぎる」とバッサリ。この人は、たまにすごくいい事をいいます。
(ちなみにこの人のお父さんは第2代北海道知事の町村金五氏です。)

 結局、全国の知事が求めているのは、自分の地方にきちんと予算が配分されることで、よくわからない人気取りのような党略のために、予算の根拠が不確かになるのは困るわけで、県の首長ならこういう発言をするのが当たり前です。

 ただし、今回の動きで好感を持ったのは、今までは、税金がほしい(つまり増税する or 減税はしない)というと、理屈を超えて批判がきます。「あの人は、弱者への配慮をしない冷酷な政治家だから・・・」みたいなやつです。理屈ではなく、感情で人格攻撃をするのはなにも、グリーンピースだけではないわけです。

 人気が気になる職業ではありますが、シビアなことも俎上に乗せていかないと、国が前進していきません。そういう意味では、国民に対しても言うべきことをきちんと言う政治家が増えたというのは良いことです。国民の側も、そういう発言に対して、目をつむるのではなく、きちんと俎上の問題に相対していかなければなりません。

 自治体の首長について、書くつもりでしたが、だんだんずれてきてしまいました。

 国政に比べ、話題性が乏しく、また、人気知事ではないところは知事の名前すら知らないことが多かったのですが、「歴代知事三〇〇人 日本全国「現代の殿さま」列伝 (光文社新書)」を読んだところ、なかなか知事というのも、特色があって面白く思いました。

 特に、町村さんもそうですが、現職政治家との連なりや、選挙による政策の変遷、地方地方が抱える課題などの経緯がわかり、地方のニュースを見る時にも、少し踏み込んだ見方ができるようになった気がします。おススメです。
 
 


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