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2008年4月29日火曜日

まるで羅生門。

世界最低の国、日本
【アリ@freetibetさんの日記】2008年04月27日00:39
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=787996903&owner_id=2071143

聖火リレー、行ってきました。 まず皆さんにお願い。 この日記を転載、リンクして頂いてかまいません。 動画3つまでしか載せれないため、 動画ありと書かれたものは僕のメインページの動画にあります。

4/26日を振り返ります。

早朝、善光寺へ向かった。 Mちん、Tさん、F君、Yちゃんと5人で。
町には何台もの大型バスが乗り入れ、中国人が降りてくる。 僕らがそれぞれ旗を作り、プラカードを作り、前日からカラオケボックスで寝ていたのに対し、 彼らは中国大使館から支給された巨大な旗と、チャーターバスで堂々登場した。
善光寺参拝が終わり、街中へ。 とりあえず聖火リレー出発地点へ向かった。 ここで日本とは思えない景色を目にした。


出発地点に、中国の旗を持った人は入場できるが、チベットの旗を持った人は入れない。 警察の言い分。 「危険だから」 じゃあ、何で中国人はいいんだ? 「......ご協力お願いします。」
は? それやらせじゃん。 中国国旗しかない沿道って、警察が作ってるんじゃん。


その時の抗議の様子

この後TBSの取材が来た。 チベットサポーターの1人が、 「日中記者交換協定があるから映せないのか?」とアナウンサーに聞いた。 アナウンサーは「は?勝手に叫んでれば?」 と吐き捨てて消えた。
街中に行くとどこに行ってもFREETIBETと叫んでいる。 そこに中国人が押し寄せ、罵声を浴びせてくる。

交差点で中国人と僕らが入り乱れた。 突然Mちゃんが顔面を殴られた。
僕は殴った中国人のババアを捕まえて、目の前の警察に言った。
「こいつ殴ったぞ!!」 警察は何もしなかった。
ババアが俺の手を噛んだ。手から血が出た。 警察と目が合った。
警察は何もしなかった。
ババアが僕の顔面を殴ってきた。 周りのチベットーサポーターが、 「おい、警察、現行犯だろ、捕まえろよ!!!!」 と言ったのに、 警察は何もしなかった。
これが抗議活動中じゃなかったら、普通にブチ切れて乱闘になってる。 でも非暴力を貫く為、ひたすら耐えた。

Mちゃんが1日かけて一生懸命書いたプラカードを、 中国人が叩き落とした。
拾おうとするMちゃん。踏みつける中国人。
「おい、てめー何やってんだよ!」と制止に入った。 2mくらいの距離に警察がいたが、何もしなかった。
街中いたるところで抗議合戦。 救急車が来たり大騒ぎ。 僕らはひたすら抗議活動をした。 (動画あり)
雨が降ってきた。 それでも誰も抗議を辞めなかった。 中国人がかたまってる交差点を、 Tさんと旗を振りながら渡った。


沿道の中国人は蹴りを入れてくる。 とても沿道に入れず、車道を歩いていた。 警察が来て言った。 「早く沿道に入りなさい!!」 は?今入ったらボコられるじゃん。
なんで日本人の安全を守ってくれないの? 「じゃあ、あいつらに蹴りいれるの辞めさせろよ!!」と僕は叫んだ。 警察は「ご協力お願いします」と言った。

雨の中、聖火リレーのゴール地点へ向かった。 何故か中国人とチベットサポーターに分けられた。 警察は、「後で聖火の方に誘導するから。」と言った。 嘘だった。 ゴールの公園の外の何も無いスペースにチベットサポーターは閉じ込められた。 聖火なんか、どこにもなかった。 目の前には警察が何十人も取り囲んでいた。 こんな場所じゃ、声すら届かない。 数百人のチベットサポーターは、泣きながら警察に向かって叫ぶだけだった。 国境無き記者団もこちら側に来させられていた。 代表がマスコミのインタビューに答えていた。 (裏から撮影した動画あり)

聖火リレーがいつ終わったのかも分からないまま、 土砂降りの中僕らは叫び続けた。 この声を、伝えることすら出来ないのかと思ったら涙が溢れてきた。 MちゃんもF君も泣いていた。 こんなのってあんまりだ。 せめて伝えて欲しいだけなのに。
この叫びを聞いていたのは目の前に並んだ警察だけだった。

チベット人の代表が弾圧の現状を訴えた。 涙が止まらなかった。 内モンゴルの代表が弾圧の現状を訴えた。 涙がとまらなかった。

伝えたい。ただ伝えたいだけなのに、国家権力によって封殺された。 悔しい。悔しい。

日本は最低な国だ。 平和だ、人権だと騒ぐ割には、 中国の圧力に負けて平気でこういう事をする。
警察を使って。

帰りに携帯でニュースを見た。 「聖火リレーは無事終了。沿道は大歓迎ムード。」 「聖火リレーで日本人5人逮捕。中国人留学生に怪我。」

僕は愕然とした。 この国のマスコミは終わったと感じた。

あの怒号は、 僕らが受けた痛みは、 彼らの悲痛な叫びは、 どこに反映されたのだろう。
警察によって意図的に中国人のみの沿道を作り、 そこをマスコミは撮影し、 中国人の暴力を黙認して、日本人を逮捕する。 これが日本のやることか? ここは本当に日本なのか? 中国の旗を持たないと歩けない沿道って何なんだ?


この国は最低な国です。 チベット人は泣きながらありがとうと言っていたけれど、 僕は彼らに謝りたかった。 初めて日本人であることを恥じた。

帰り道、僕らは泣いた。

これが真実です。 僕は日本政府は中国以下だと思った。 弾圧にNOを言えずに、言いなりになって彼らの叫びを封殺したこの国は、もう民主主義国家ではない。

4/26日長野。 そこには言論の自由はなかった。 歩行の自由すらなかった。 中国人を除いて。
追記:どなた様も、転載の許可必要ありません。 報告だけしていただけると、反応が見れて嬉しいのでお願いします。 動画が消えたりするるみたいですが、また報告していただけたら何度でも載せなおします。 マスコミの嘘つき。大嫌い。 FREE TIBET!!


追追記:コメント数パンクのため、 新しい日記の方にお願いします。 また、コメントにあった質問等にもある程度お答えさせて頂きました。

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ミクシーではすでに30000人の人がこの日記を閲覧したそうです。また、このブログと同じく転載しているところも多いようなので、目にした人も多いでしょう。このアリ@freetibetさんの日記には、このエントリだけではなく、チベットへの旅行で見たことや、長野の抗議行動で起きたことなど、様々アップしてありますのお勧めします。

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ラサ燃える(その48)長野で警備に当たっていた自称警官「群衆が怖くて」
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2008/04/48_3e1d.html
コメント欄より

568 :名無しさん@八周年:2008/04/27(日) 09:25:21 ID:3tNZyy/q0今回の長野聖火警備実施結果について、私なりの「警察側」見解を述べます。 話の内容は警察にかんするものだけで、あとの事は書きません。
今回の警備実施目的 聖火及び聖火リレー走者に害を及ぼさせない これが最大にして最終的な目的です。

リレーの邪魔をする可能性の排除
1 右翼 2 チベット関係者及びその支援者 3 反中意識の高い日本人(まあ、現在爆発的に増加中とは思いますがw) に対し、聖火リレーの妨害をしないよう事前に対処する。 (チベット旗を持っている者の行動が予測出来ないことから、事前に声かけし、飛び出し・妨害を起こす気をそぐ)

中国人に対する対処 1 中国人がリレーの妨害をするとは考えられない。 2 チベット関係者や右翼とのトラブルが予測される(そもそも、その為に集まってる) ことから、徹底的に右翼・チベット関係者との距離をおかせる必要がある。 とにかく中国人側の方が人数的に多いことから、右翼・チベット関係者をなるべく一カ所にまとめ、保護する。

不法事案発生時の対処 1 最大の目的はリレーの完走であるから、リレー妨害に関わる事案は確実に検挙する。 2 上記を最大の目的とするために、リレー警備に当たっている者は受け持ちを確実に守る。

となると、リレー走者が通り過ぎるまでは、その周辺に騒ぎを起こさせないことが大切。 1人検挙すれば、その周辺の警官が最低3名、騒ぎが大きくなればどれだけ予備隊を投入すればよいか見当もつかない。
故に、通過までは積極的な検挙活動には転じることができないわけです。

577 :568:2008/04/27(日) 09:28:54 ID:3tNZyy/q0ここからは警察官個人の本音です。
警察はどちらの味方もできない。 あれだけの人数の前で、完璧な対処(検挙)をするためには、法整備が全く追いついていない。 それに最も悔しい思いをしているのが警官です。
中国様が怖い? 冗談じゃありません。 警察官ほど中国の悪質さを知っている職業はありません。 中国という国そのものがあってはならない国だと、腹に据えかねるいるのが警察官です。 それを見事にネット情報に惑わされて、「今後警察には協力しない」だの、「長野県警は腐ってる」だのと… 自分で考えることを止めてはそこで思考停止。
その程度では糞中国人どもと何ら変わりません。

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テレビを見ていても、まったく臨場感が伝わってこなかったのですが、現地にいた人の見たこと、聞いたことがようやくネットに表れてきました。情報化社会と言われていますが、結局のところ、断片的なピースを丹念に拾い集めて、組み合わせて見ないことにはなにもわからないということが、この事件を通じて、あらためてわかりました。

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とうとう私の許にも『令状』が届きました
【徒然草】2008/04/19 22:39
http://victoria.iza.ne.jp/blog/entry/548513/#tback

会社から自宅に転送されたメールに、「長野市での集会への参加のお誘い」が入っていました。(今回もまた、事情あってその内容を詳細にお伝えできないことをお許しください)
4月26日に長野市内某所に集合と言うことで、何故か聖火の出発地点まで既に伝えられていました。
其所で、参加者には交通費が支給されるということなので、私は土曜日に長野に行ってこようと思います。(略)


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このブログは林 則徐さんという中国人(ハーフ?)の方のブログのようです。この方は、中国に関係する団体から、長野の聖火リレーに動員をかけられてことをエントリしています。

以上、現地でチベット独立抗議運動をしてきた人、現地で警備にあたった警察官、動員をかけられた中国人という3つの立場(と思しき人)の書き込みを紹介しました。

いずれ、「信じるか信じないかはあなた次第」ということなのですが、マスコミが伝える映像や情報も、イマイチすんなりと消化できないのも確かなわけで、中国による聖火リレーが、平和とも、人類の調和とも程遠いひどいものだということはわかっているのですが、実際にどうひどいのか、どの位ひどいのか、というのは草の根の声に耳を傾け、判断していかなくてはならないでしょう。

ただ、「『フリー・チベット』と叫んでいる行為は、スポーツに政治を持ち込んでいる」といいながら、『ワン・チャイナ』とシュプレヒコールを上げている連中というのは一体なんなのか。聖火リレーから始まった、このオリンピックが閉会式まで、どういう事が起きるのかを記憶していかなくてはなりません。



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2008年4月26日土曜日

聖火

「フリーチベット」の叫び届かず亡命2世 泣きながら乱入 聖火リレー
【産経ニュース】2008.4.26 13:39
http://sankei.jp.msn.com/sports/other/080426/oth0804261339026-n1.htm 


何のための、だれのための「平和の炎」なのか。26日、3000人規模の厳戒態勢の中で行われた北京五輪の聖火リレー。沿道を埋め尽くす真っ赤な中国国旗と、時折揺れるチベットの雪山獅子旗。出発式会場に一般客は入れず、平和の祭典を象徴するイベントは「市民不在」で進んだ。「チベットに自由を」「ゴーゴーチャイナ!」。チベット問題を訴えるプラカードも掲げられ、タレントの萩本欽一さんや卓球の福原愛さんが走行中には男が取り押さえられる場面もあった。善光寺で知られる仏都・長野市は終日騒然とした空気に包まれた。(林英樹、永原慎吾)

 ハプニングは突然起きた。JR長野駅や善光寺周辺と比べて、比較的観客の数が少ないコース中ごろの沿道。「フリーチベット!」。チベットの旗を握りしめた男がロープをまたいで車道へ飛び出し、聖火ランナーの列に飛び込んだ。警官隊に取り押さえられ、地面に顔を押さえつけられながらも、「フリーチベット」の泣き叫ぶような声は消えない。

 男は、台湾に住む亡命チベット人2世の古物商、タシィ・ツゥリンさん(38)。「私はオリンピックに反対しているわけではない。ただ、チベットの惨状を全世界に訴える絶好の機会だと思っている」。この日朝、沿道の別の場所でチベットの旗を広げていたタシィさんは記者にそう話していた。

 タシィさんは、中国のチベット侵攻後の1959年、チベットからインドに亡命し、その地で生まれた。紛争は直接経験していないが、父親の壮絶な体験がタシィさんの心に刻み込まれている。

 父親は紛争の最中、政治的理由で中国公安当局に拘束され、死刑を宣告された。しかし執行の前日、一か八か、小さな窓から絶壁に向かって飛び降りて脱走、一命を取り留めた。その後、夫婦で当時7歳だった兄を連れて2週間かけて、命からがらヒマラヤ山脈を越えたという。

 「チベット独立は両親の悲願でもある。それを実現するためには、残りすべての人生を犠牲にする覚悟がある」

 チベット難民として暮らしたインドでは、常に「どこにも所属しないホームレスのような感じだった」。しかし、ダライ・ラマ14世の言葉に接し、考え方が変わった。「チベットはチベット人のもの。暴力を使わず、平和的に訴えることで、私たちの『自由』を取り戻したい」。

 タシィさんは25日夜に長野入り。タイの聖火リレーでも抗議活動に参加したが、そのときと比べると、日本のほうがチベット支援者が多いことに驚いたといい、「応援してくれる日本のみなさんに感謝している」と述べていた。

 穏健にチベット問題を訴える人たちもいた。市民団体「SFT日本」の代表を務める亡命チベット人2世、ツェリン・ドルジェさん(34)=名古屋市=らも長野入りし、「チベットに自由を チベットに人権を」と書かれた横断幕を握りしめた。

 「私たちは聖火リレーを妨害するつもりはない。ただ、中国政府にオリンピック精神に立ち返ってほしいだけ。自分の思うこと、感じること、自由に発言できる社会にしたいだけだ」

 SFTでは事前に、抗議をする場所や抗議方法について、長野県と協議を重ねていたが、ツェリンさんらの周りには、「ワン・チャイナ」と連呼し、中国国旗を翻す大勢の中国人たちが詰めかけ、その声はほとんどかき消された。

 チベットの中心都市、ラサでは中国人の人口がチベット人を超え、子供たちも中国語を話すようになっているといい、「このままでは私たちの文化や宗教は確実に跡形もなく消えてしまう」。

 この日、長野を訪れたチベット人らの多くは3グループに分かれて抗議活動に出かけた。あるチベット系中国人男性は「チベットに残してきた家族が中国の公安当局に尋問を受けており、顔や名前を出して抗議活動をするのは正直怖い」とこぼした。

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 ようやく、長野の聖火リレーが終わりました。テレビを見ていてもあまり様子が伝わってきません。ネットでは、中国国旗を掲げる影像や、関係者の「成功裏に終わった」みたいな発言や、はたまた逮捕者が(他国のリレーに比べて)少なかったことから、失敗だったのではないか、という論調が優位なように感じます。

 しかしながら、本来、平和と祝福に見守られてリレーする聖火が、このように逮捕者が出る、はたまた、負傷者がでないかどうかを心配しなければならないような行事になっていることがすでに滑稽であることは言うまでもありません。

 国際世論のスタンダードとして、暴力を用いないこと、そして、人権や自由といった普遍的な価値を擁護し、それに反対する勢力に対してはきちんと反対の声を挙げることが求められています。

 前者に対しては、小競り合いのようなものがあったり、卵が投げられたりということがあっても大きな負傷者が出ず、イベントとして完結できたことはよかったことだと思います。

 一方、後者については、チベットの国旗をリレーに持ち込んだ人々のおかげで、日本国民もチベットについて問題意識を持っていることが多くいることがアピールできたことは成果ですが、政府を始め、公的機関からこういう声が聞こえてこないのは非常に残念なことです。

 特に長野の自治体については、治安を心配する面があるにしろ、あまりにも世界的な問題について無関心であったと言わざるを得ません。

 そういう及び腰の姿勢が多い中で、ボイコットを表明し、チベット問題を憂慮する声明を出した善光寺の行いが、非常に尊いものだったことは言うまでもありません。特に、仏教界の腰が重い中で、善光寺は日本の代表的な寺院であり、また、オリンピックにも所縁の深い寺院がこうした声を挙げたことには本当に大きな意味があったと思います。

 長野でのリレーの前に、中国はダライ・ラマとの対話を行うことを表明しました。これが実効的な方向に向かっていくのかは疑問ですが、それゆえにチベット情勢を見守っていかなくてはなりません。また、チベットだけでなく、新疆ウイグル問題にももっと関心を持っていかなくてはならないでしょう。



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2008年4月10日木曜日

十字架の重み

わが聖地・チベットの苦しみ:野口健(アルピニスト)
【gooニュース】2008年4月10日(木)14:43
http://news.goo.ne.jp/article/php/world/php-20080410-01.html

中国当局の激しい弾圧に、世界的な登山家が怒りの声をあげた。
北京オリンピックを控えたいま、わが国はチベットになにができるのか


野口健さんは世界七大陸の最高峰を世界最年少(当時)で登頂したことで、あまりに有名な登山家である。エベレスト(チベット名・チョモランマ)や富士山で清掃活動を行なったり、「野口健・環境学校」を開設したりするなど、環境保護活動に精力的に取り組んでいることでも知られている。甘いマスクと知的な語り口で、性別、世代を超え、ファンも多い。その野口さんが、珍しく怒りをあらわにしている。チベットを支配してきた中国がチベット人の命懸けの抗議行動を戦車や装甲車まで持ち出して弾圧し、おびただしい流血を招いたからである。チベットに通い詰め、チベット人に対して中国が何をしてきたかを知っていた野口さんは、こうなることが「時間の問題」と感じていたという。登山家である彼が、なぜ中国非難の声を上げたのか。日本はこの事態にどう対応すべきか。率直な意見を聞いた。(取材・構成:山際澄夫)

中国資本による凄まじい開発

山際 3月14日にチベット自治区のラサで発生した僧侶らによる"騒乱"は、四川、青海、甘粛各省のチベット人居住区に拡大し、中国の治安部隊はこれに銃撃を浴びせています。野口さんは昨年、チベット側からエベレスト登頂に成功されました。チベット人との交流も深いと思いますが、今回の事態をどのようにご覧になっていますか。

野口 はっきりいえば、こうなるのは時間の問題だと思っていました。中国の警察が木の棒でチベット人を引っぱたく光景をよく見掛けましたから。

山際 日常的に、そういう行為をやっているのですか。

野口 そう、しかもそれはラサに限りません。浮浪者のような人が寝転がっているだけで殴る。それが常態化しているんです。エベレストの比較的近くに、ネパールとの国境であるナンパ・ラ峠があります。チベット人はその峠を越えてネパールに入り、交易や巡礼をする。峠のネパール側にはシェルパ族の村があり、私がネパールに行ったときも牛に似たヤクという動物に品物を載せて、彼らはシェルパ族の村に行商に来ていました。
2006年10月13日、いつものように彼らがナンパ・ラ峠を越えようとしたとき、一行に向けて中国警備当局が銃を発射した。近くにいたヨーロッパの登山家が一部始終を撮影し、その映像がユーチューブを通じて世界に流れ、弾圧の現状が知られるところとなりました。私も映像を見ましたが、ほんとうに驚きましたね。行列の先頭の人が撃たれて倒れたら、普通の人は逃げるでしょう。しかし、彼らはまったく動じない。さらにパーンと撃たれ、次の人が倒れても、整然と歩いている。チベット人の覚悟を見た気がしました。

山際 彼らはチベットからの難民ではないのですか。難民がナンパ・ラ峠を越え、ネパールに逃れようとした、という見方もありますね。

野口 あのルートは有名で、交易する人も、難民も、同じ道を歩くんです。真相ははっきりわからない。にもかかわらず『朝日新聞』は、チベット人が中国警備隊に危害を加えようとしたから、正当防衛で撃った、と報道した。その後、清掃活動のためにエベレストに足を運びましたが、ベースキャンプで大変な人数の「公安」を見掛けました。僕らが清掃で何を拾っているかも調べに来ましたし、アメリカ人が「フリー・チベット(チベット解放)」と看板に書いただけで逮捕したり、という厳しさでした。

山際 しかも中国は今年、北京オリンピックを控えている状況です。

野口 だから極度に神経質になっているんです。エベレスト山頂に向けて聖火リレーが行なわれる予定で、中国警備隊にとってはその実現が最重要課題。5月10日に聖火を山頂に上げる、とすでに発表していますから。そのために現地に300人を待機させています。チベット人の知人に「でも天気が悪かったらどうするの?」と聞いたら、「それでも上げなきゃいけない。300人いるから押し込んでいけば何とかなる」と。「それでは旅順攻防戦の203高地と同じだ」といったんですが。
周囲の開発もいま、凄まじい。1995年にラサへ行き、毎年のように足を運んでいますが、最初に訪れた時点で、かなり中国資本による開発が進んでいました。オリンピックの準備でそれが加速して、1年単位で町の姿は変貌している。チベットの町は路地裏が入り組んでいますが、それが年々壊され、すべて大通りに変わっています。高層建築が増え、秋葉原の電気街のようなショッピングセンターも、高級ホテルもある。上海に通じる鉄道(青蔵鉄道)も開通し、その駅の規模たるや、東京駅など目ではないくらいです。そうなると、今度は観光客がやって来る。2006年には21万人だったのが、2007年は36万5000人にまで増えました。

山際 急増しているわけですね。

野口 そこから新しいビジネスが生まれ、さらに中国人がなだれ込む。ベースキャンプにしても、すっかり様変わりしてしまいました。

山際 心あるチベット人は危機感を覚えていたんでしょうね。ところでベースキャンプというのは、固定された場所にあるのですか。

野口 そうですね。日本でいえば、富士山の5合目、というイメージです。ラサからベースキャンプまでのほとんどを舗装し、民宿やお土産屋、定食屋、女性付きのパブまである。去年からは観光バスもどんどん上るようになりました。じつは今年の春も、チベット側で清掃活動をする予定だったんです。ところがオリンピックの前だから、ゴミのあるところを写すな、と条件が付いた。それならやる意味がないので、ネパール側から山に登る準備をいま進めているところです。

ダライ・ラマの言い分は正しい

山際 野口さんはどのようなかたちでチベット人と交流されるんですか。シェルパ(山岳案内人・荷運び人)と一緒に登頂するときでしょうか。

野口 ネパール人はイギリスの影響でシェルパとして登山隊のサポート要員となったりしますが、チベット側にはそういう文化がありません。チベット人は、ベースキャンプのさらに上のほう、ヤクが上がれるところまで、ヤク使いとして来るんです。6000メートルぐらいまでは、チベット人と一緒に登る。あるいはチベット登山協会という組織があって登山家たちの面倒を見てくれますが、そこでもさまざまな話をする機会があります。

山際 聖火をエベレストに上げる、という話がありましたが、チベット人にとってエベレストは神様の宿る「聖なる山」です。心情としていたたまれないのではないか。中国に対するチベット人の本心を、野口さんはお聞きになったことがありますか。

野口 表面的にはなかなかわかりませんが、親しくなると本音を語りますね。ダライ・ラマがインドに亡命したあとに、中国が認可したパンチェン・ラマというお坊さんがいます。チベット仏教ではダライ・ラマに次ぐ高僧ですが、チベット人は彼を傀儡だ、と思っている。象徴は必要ですから、とりあえず認めてはいますけど。今回の暴動について中国政府は、ダライ・ラマが裏で糸を引いている、といっています。しかし本人は否定しています。
私はダライ・ラマの言い分が正しい、と思う。
もしほんとうに彼が「戦え!」といえば、あの程度では済みません。
一億玉砕のようなことが起きるでしょう。

山際 ダライ・ラマに対する尊敬心や宗教心が、チベット人にはまだ根付いているんですね。

野口 そうですね。しかしそれはイラスム教徒的な盲目心ではありません。ダライ・ラマとはチベット仏教の象徴であると同時に、チベットそのものの象徴です。長きにわたってチベットは中国に支配され、虐げられ、苦しんできた。国力が違いますから、まともに戦っても勝てません。だからじっと耐えてきたし、どこかで中国の一部になるのをよしとした部分すらあるように思います。中国の政策によってものが溢れ、町全体も裕福になった。いまのほうが快適だ、と若者などは思っているのではないでしょうか。
しかし裕福になれば、新しい問題が起きる。アルコールが入ってきて、チベット人は酒を飲みますから、中毒者が増え、ラサでは酔った浮浪者が徘徊している状況です。経済格差も発生し、社会の脱落者が出てきた。精神的にすさんでいくわけです。
外交官だった私の父(野口雅昭氏・京都文教大学教授)は、戦後教育が日本の心を壊していくのを目の当たりにした、といいましたが、中国もチベットに対して同じことをやろうとしている。あからさまな弾圧はできないから、精神構造から崩していくという戦略です。

山際 ダライ・ラマは、「文化的ジェノサイド」といいましたね。チベット独自の文化や伝統を宗教も含めて根絶やしにし、チベットの生息空間をなくそうとしている。インドに亡命しているダライ・ラマの姉も「魂が大事で、それを失ってしまえば民族は滅びる」と発言しているようです。中国の同化政策とは、一言でいえば、「魂を奪う政策」です。チベットの寺院では中国の愛国主義教育、つまり中国共産党を讃える教育まで行なっているという、驚くべき実態がある。

野口 「共産党バンザイ」という文言が、町中の至るところに書いてありますからね。
しかし最後の最後、その文化の部分でチベット人はダライ・ラマに寄り添い、必死に抵抗している。耐えてきた彼らがついに爆発した。それが今回の騒乱です。

山際 チベットはもともとは独立国家です。チベット人の全人口は600万人程度なのに、中国によって100万を超えるチベット人が虐殺されてきた。チベット出身のペマ・ギャルポさんの話を聞くと、家族が1人も虐殺の目に遭っていない人は見当たらないそうです。そのような扱いを受けても、彼らはけっして武力で抵抗しない。

野口 短刀はもっていますが、実際に使用することはありません。

山際 そんなチベット人に対し、中国政府は、「人民戦争だ」と言い放った。戦争状態だから、銃撃し、殺してもよい、としたのです。

野口 中国はいつもそうで、ナンパ・ラ峠でチベット人への銃撃が話題になったときも、初めは事実すら認めませんでした。しかし映像が世界に行き渡ってしまうと、「チベット人が危害を加えてきたから、正当防衛で撃った」と訂正した。今回も同じで、最初は「発砲していない」といったでしょう。それが次には「警察が身の危険を感じ、正当防衛として威嚇射撃をした」と。死者の数についてもチベット亡命政府が「140人以上」、中国側は「20人」と食い違っている。
中国が20人しか撃ち殺していない自信があるなら、世界のメディアに「取材してください」といえばいい。しかし当局が取材許可を与えた海外メディアの記者は10数人、日本では共同通信社だけ。外国人旅行者ですら、多くがカメラやビデオを没収されている。没収自体が隠蔽行為です。

山際 「毒ギョーザ事件」に対する対応も同じですね。しかし、なぜこのタイミングでチベット人は暴動を起こしたのでしょうか。

野口 北京オリンピックで世界の目が中国に集まっているいまなら、国際社会が注目してくれる、と考えたのでしょう。戦略として正しいと思います。彼らには武力がありませんから、国際社会に訴えるしか手段がない。逆にいえば、彼らが必死で訴えるメッセージを、僕たちはしっかりキャッチしなければならないんです。

いま発言しなければ、僕は十字架を背負う

山際 そういう意味では、国際社会はチベットの声を受け止めていますね。3月21日、アメリカの米議会下院議長のペロシ氏がインドでダライ・ラマと会談し、中国政府の行動を強く非難したうえで、「中国政府の弾圧に声を上げないなら、人権を語る資格を失う」といいました。

野口 EU議会も「北京オリンピック開会式のボイコットも辞さない」と発言しました。実際にボイコットするかは別にして、いま中国はそういわれるのがいちばん怖い。EUはそのカードを切った。日本ももっと人権問題など、さまざまなカードを使うべきでしょう。

山際 アメリカではリチャード・ギアやミア・ファロー、ミア・ファローに煽られたスティーブン・スピルバーグなど、数えきれない人が非難の声を上げています。しかし日本では、町村官房長官が「基本的には中国の国内問題というものの、双方の自制を求める」という、何がいいたいのかよくわからない発言を行なった程度でした。

野口 中国は最初、チベット人が店舗を壊し、物品を略奪する映像を外部に流しました。予備知識なしであの映像に出合えば、おなかをすかせた農民一揆のように見える。それに対して「正当防衛で撃った」というんです。「双方」という言葉を使った時点で、中国に加担していることになる。

山際 そんな状況下、野口さんが声を上げられたのは素晴らしいことだと思います。

野口 じつは登山家は皆、現状をよく知っているんです。
チベットと登山家の縁は深く、チベット人に対する思いも同じ。
問題は、その思いを公の場でいうか、それともいわないか。僕がチベットについて自分のブログやホームページに書いたときも、

「よく書いたな。おまえはもうチベット側から登れないぞ」

といわれました。実際にそうだと思います。僕の最終目標はエベレストをチベット側から登ってネパール側に降りることでしたが、それが失われてしまった。
登山家の多くが自身の欲望のために発言を控えるのは、ある意味、当然のことでしょう。しかし、僕はその欲望と、現場を知ってしまった人間の思いのどちらを優先すべきか、自分に聞いたんです。そして、やはり後者を優先すべき、という答えが出た。

いま発言しなければ、そのために僕は十字架を背負うことになるんです。

オリンピック選手にしても同じですが、しかし登山家とは違い、彼らは現役年齢が限られている。4年に1度のチャンスを奪うのはきわめて酷な話です。彼らが発言できないならば、代わりに政治家がいえばいいのに、日本はそうしない。
登山家や政治家だけではありません。メディアも一緒です。騒乱が起こる前ですが、ある新聞の取材で「もうすぐチベットで大変なことが起きる、そう書いてください」といいました。しかし「オリンピックの取材許可が下りなくなるから、無理です」と返された。
事態はそこまで進んでいるのか、と愕然としましたね。しかし、本当に日本人はチベット問題に関心がない。一昨年、アメリカのボルダーという町に行きましたが、至るところで「フリー・チベット」という看板を見掛けました。本屋にもチベットの旗がはためいていた。日本でそんな光景に出合うことはないでしょう。

山際 日本とチベットは近い国なのに、あまりに態度が冷淡です。

野口 父親にいわせれば、扱うのが面倒なテーマらしいんです。その話題に触れるだけで、日本と中国の関係が冷えきっていく。触れないほうが無難、と判断しているようですが、本当にそれでいいのか。

山際 最終的にこの問題は、どうやって収束させればよいのでしょうか。

野口 北京オリンピックまでは中国もある程度、自制すると思います。
僕がいちばん恐れているのは、オリンピック後、中国が復讐に出ること。
暴動が起きた場所に調査団を置いて、復讐できないシステムをつくることが不可欠でしょうね。4月にネパールで7年ぶりの選挙がありますが、あの国は政府と共産ゲリラがずっと戦っていて、日本の自衛隊などさまざまな国の軍隊が、選挙がきちんと行なわれるかを監視する。チベットでも同じようなことをやればよい。単純にボイコットせよ、というのではなくて、ボイコットはしない。代わりに調査団を設置させよ、ダライ・ラマとも直接対話を行なえ、といえばいいんです。
いちばん避けるべきは、無責任にオリンピックに参加すること。オリンピックを開催したため、新たな血が流れる可能性がある。そうなれば選手だって傷つきます。自分が金メダルを取ってもその後に血が流れれば、生涯、十字架を背負って生きなければならない。直接的ではないにせよ、そうすること自体が中国への「加担」ですから。

山際 オリンピックというのは平和の象徴であり、正義の象徴です。

野口 ある意味で、政治の象徴でもあるんです。「政治をよくしていく」というポジティブな意味で。今回のチベット問題も、まさに政治問題でしょう。オリンピックによって実態を世界中が感知し、政治路線が変わっていくなら、それは世界にとってプラスです。「オリンピックと政治は別だ」と中国はいいますが、両者は必ずしも切り離せない。過去の歴史がそれを証明しています。ならばその関係を、ポジティブな意味に捉え直さなければならない。

山際 おっしゃるとおりですね。

(略)

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アルピニスト、野口健さんのインタビューです。
顔と名前は知っていて、登山家として、そしてエベレストでゴミ拾いをしているエコロジストの立場から発言をしている人だという認識くらいしかありませんでした。

エベレストという山を活動の場にしている以上、中国と事を構えるのはアルピニストというのを生業とする人にしては大変なことだと思います。

いま発言しなければ、そのために僕は十字架を背負うことになるんです。

野口氏が言う「十字架」をどれだけの人が背負っているのか。
多くの人が、この十字架に無自覚で、この重さを感じる想像力を持たないまま、日々の生活に埋没してしまうのであれば残念なことです。
じゃあ、お前は何をしているのかと言われれば、沈黙するしかないのですが、せめてこの重い十字架の一旦を心に背負い、自分でできることの無力を知りながらも、できることを模索していかなくてはならないと思います。


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2008年4月3日木曜日

土建屋集団 IOC

USA TODAY チベット騒乱で“糾弾”  「IOCはなぜ沈黙する」
【産経ニュース】 2008.3.29 22:46
http://sankei.jp.msn.com/world/america/080329/amr0803292244017-n1.htm

米紙USA TODAYは、チベット族に対する弾圧が続く中国で五輪が開かれることに関し、国際オリンピック委員会(IOC)を痛烈に批判するコラムを運動面で掲載した。クリスティーヌ・ブレナン氏による記事の抄訳は次の通り。

 北京五輪と言って思い浮かべるのは抗議活動や取り締まり、検閲、死などスポーツ以外のことばかり。まだ3月だ。6、7月にはどうなっているのだろう。

 IOCは7年近くの間、中国に圧政的方法を改めるよう求めることができた。中国をもっと開かれた社会にすることは、北京に五輪を与える主たる理由だったのだ。残念なことに、IOCは中国に変化を促すことを何もしてこなかった。中国に五輪を与えたことで、共産主義政権に敢然と異議を唱えた人々の生活を悪化させた。勇気をもって立ち上がった人々への弾圧が増えているのを無視し続けることは、五輪が近づくにつれ不可能になっている。

 人権団体はIOCに、中国の変化に影響を及ぼすよう要望してきた。中国が何よりも気にかけているのは五輪を通じて自らの国を誇示できるかどうかであり、その意味では、IOCが中国政府に持つ力は巨大だ。

 ロゲIOC会長は「人権団体には(IOC本部がある)ローザンヌで定期的に会っており、尊敬の念は持っているが、IOCは中国に成り代わって仕事をする役目までは負わない。私の神聖なる優先事項はスポーツ選手のためによい大会を保証することだ」と語る。

 だが、ロゲ氏が動かないことは、氏が守りたいと願う選手や五輪の状況をより悪くするだけだ。中国に意見を言わないことは、中国の政策を嫌悪する人々をさらに怒らせることになる。

 IOCは2004年五輪の前に会場整備の遅れについてアテネに厳しく当たることには躊躇(ちゅうちょ)しなかった。それが今、(アフリカのスーダンの紛争地)ダルフールやチベットでの人権というもっと重要な問題で発言を拒んでいる。IOCは、スポーツを通して世界をひとつにしようとの高い志の組織というよりも、土木技師の集団か何かのようだ。

 06年冬季五輪のスピードスケートの米人金メダリスト、ジョーイ・チーク氏は「五輪とは人権のため人々が力を合わせる方法だとIOCは言うが、なぜ今回はそれについてはっきり言わないのか」と訴えている。


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北京オリンピックが決まり、開催が近づくにつれて、「中共の醜い部分が世界中に明らかに」とか「ジェノサイド・オリンピックの再来」とかはしゃいでいましたが、現実にチベット弾圧を目の当たりにすると、シャレにならなくなってきました。

中国政府は餃子問題に引き続き、「居直り」と「逆切れ」と「捏造」で乗り切ろうと必死ですが、残念ながら情報封鎖によって決定的な確証が得られない西側メディアではなかなか強い態度にでることができません。

北京オリンピックに際して「チベット問題は中国の内政問題だが、人権にかかわるようなことがあれば心配、懸念を表明せざるを得ない。」というどこまで突っ込んでよいやらわからない福田首相は論外ですが、情報を公開せずに、逃げようとする中国政府に対しては、あらゆる方面からきちんと人権擁護を訴えていくべきです。

そういう意味で、IOCには、中国に対して影響力を持ち、また崇高な理念に沿った行動を求めるべき機関であり、それをきちんと果たしていかないのであれば、

IOCは、スポーツを通して世界をひとつにしようとの高い志の組織というよりも、土木技師の集団か何かのようだ。

という謗りを受けてもしょうがないと思います。実際、IOCは、オリンピックの商業化を進めていて、拝金主義に陥っていると後ろ指をさされてきているわけですから、この場におよんでなお、上滑りな言葉でのらりくらりと批判をかわそうとするのであれば、早晩「オリンピックは平和の祭典」という称号を降ろさざるをえなくなるでしょう。

チベットの問題だけでなく、中国は東トルクメニスタン(新疆ウイグル自治区)の問題をかかえており、舵取りいかんでは、大虐殺が行われたり、紛争が始まったりと、大変な事態を招きかねません。もちろんこれは、中共という巨大な暴力装置による支配の結果であり、「北京五輪で声を上げたら、多少の人権が獲得できた」というのがゴールではないので、世界の注目が集まっている今こそが大事です。外国人メディアを締め出しているラサの様子は、残念ながら正しい形で伝わってきませんが、オリンピックが始まり、世界中のメディアが注視するなかで、情報封鎖の目を掻い潜り抜けて、チベット人や新疆ウイグル人らの迫害を受けている民族の姿を、人治国家中国において不遇な思いをさせられている人々の姿が世界に伝えられることを願ってやみません。

郷田良家 「慈悲と修羅」




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2008年3月3日月曜日

皮肉

【産経抄】3月1日
http://sankei.jp.msn.com/world/china/080301/chn0803010353000-n1.htm

 これでやっと中国が中国らしくなった。日本人の間から、そんな皮肉のひとつも聞こえてきそうだ。冷凍ギョーザ中毒事件をめぐり中国公安当局が「中国内で殺虫剤メタミドホスが混入された可能性は極めて低い」と発表したことである。

 ▼発生直後、中国は予想以上に「真相究明」への意欲を見せた。2月初めには検疫総局の幹部が「日中関係の発展を望まない一部分子」の犯行の可能性をにおわせ、工場内部犯行説も浮上した。中国も情報を公開し、国際的責任を果たす国に変わったのではとの期待を抱かせた。

 ▼ところが今回の発表では一切「真相」には触れない。しかも中国側の責任を全面的に否定する姿勢に転じた。国内の「政治事情」もあるのかもしれない。だがこれでは、都合の悪いことには一切口をつぐむという、これまでの中国に戻ったと言われても仕方あるまい。

 ▼中国の「真相隠し」の最たるものは1971年の林彪事件だろう。毛沢東主席に次ぐ実力者だった林彪副主席が毛沢東爆殺を企て失敗、逃げる途中に飛行機が墜落し死亡した。だが中国政府はこれほどの大事件を1年近くも「知らぬ存ぜぬ」で通したのだった。

 ▼事件は米中が急速に接近、中国の国連加盟が実現する直前に起きた。そんな時に、国のナンバー2がトップを暗殺しようとしたことが明るみに出るのは何とも都合が悪かったからだ。そして国際社会も中国の「真相隠し」に、まんまと一杯食わされたのだ。

 ▼現在の中国政府も、8月の北京五輪までギョーザ事件を封印し「安全な国」を装い通そうというのだろうか。案外それは「成功」するのかもしれない。なにしろ被害国の日本の福田首相が公安当局の発表を「非常に前向き」と評価しているのである。

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産経すごい!!



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2008年2月29日金曜日

越えられない壁

中国側発表「看過できない」…警察庁長官が反論
(2008年2月28日22時00分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080228-OYT1T00496.htm

中国製ギョーザ問題 中国製冷凍ギョーザの中毒事件で、中国公安省幹部が中国国内で有機リン系殺虫剤「メタミドホス」が混入した可能性を否定した発言について、警察庁の吉村博人長官は28日の定例記者会見で、「看過できない」「こういうことを予告もなくポーンと出してくるのはいかがか」と厳しい口調で反論した。

 吉村長官は、<1>検出されたメタミドホスは不純物が多く、国内で流通していない<2>実験の結果、メタミドホスは袋の外側から内側には浸透しない<3>千葉と兵庫で中毒を起こしたギョーザが国内では別ルートで流通している――ことなどを挙げ、改めて「日本国内での混入の可能性は極めて低い」と強調。中国公安省刑事偵査局の余新民・副局長の28日の会見内容は「不可解な点が多い」と述べた。

 特に余副局長が「実験の結果、メタミドホスは袋の外側から内側に浸透する」として日本側の鑑定結果と全く逆の見方を示した点については、「科学的データをもらいたい」と疑問をなげかけた。

 警察庁によると、今月21、22の両日に来日した中国公安省幹部との協議や25~27日に北京で開いた会議では、日本側から、メタミドホスが検出されたギョーザの鑑定結果や袋の写真、ガスクロマトグラフィー質量分析装置によるメタミドホスの不純物の分析結果などを中国側に提供した。一方、中国側には、過去に河北省などで起きたメタミドホスを使った事件3件の捜査資料や、製造元の「天洋食品」(河北省)の工場内を撮影したビデオなどを求めているが、「探している」などとして提出されていないという。

 吉村長官は、余副局長が鑑定結果や証拠を日本に求めても提供されないと発言したことにも触れ、「誤解を招く言い方だ」と反発した。

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 毒物の手に入りやすさや、世界を席巻している中国製品の品質に対する評判といい、日本における流通経路や、警察の科学捜査の結果といい、状況証拠で言えば「真っ黒」なわけですが、逆ギレして居直る天洋食品、「袋の外から浸透した」とか、「中国国内でメタミドホスが混入した可能性は極めて低い」と嘯く中国公安省。チャイナリスクの健在ぶりを華麗にアピールという感じです。

 2007年11月27日、人民日報は26日、北京で開幕した「国際食品安全フォーラム」で、中国の輸出食品の品質合格率が99%以上であり、安心できる品質を維持し続けているという、国家質検総局李長江(リー・チャンジアン)局長の話を伝えた。
http://www.recordchina.co.jp/group/g13196.html

だそうですが、「仮に100袋の冷凍食品のうち、1袋から毒が検出されたとして、それが問題なんですか」という感じですか?

ロス疑惑の解明のため、アメリカ捜査当局に協力する警察庁や、日本で犯罪を犯してブラジルで捕まったブラジル人の代理裁判など、司法の国際的な連携が話題に上る昨今ですが、この国には、そういう普遍的な価値を共有できるようになるまでにはまだまだ時間がかかりそうです。



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2008年2月13日水曜日

Quality Control

密封でも中国とは限らず ギョーザ事件で中国検疫当局
【東京新聞】2008年2月13日 21時35分
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008021301000746.html

 【北京13日共同】中国国家品質監督検査検疫総局の魏伝忠副総局長は13日の会見で「密封されたギョーザ製品の袋から(殺虫剤)メタミドホスが検出されたから、生産過程で混入したと考えるのは単純すぎる」と述べ、中国の工場で混入されたとの断定的な見方に反発した。

 副総局長は「袋を開封してまた密封することは、ハイテクなど使わなくても普通の人でもできる」と指摘。密閉された袋から検出されたことは生産過程で混入したとの結論には結び付かず「一つの推測にすぎない」と述べた。

 町村信孝官房長官は8日、密封されていた袋の内側から殺虫剤が検出されたことを受け、中国側で混入したと考えるのが自然との認識を示していた。

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 あらゆる可能性を視野にいれて捜査するのは、当然必要ですが、蓋然性の高い推論を押しつぶすかのように、小さい可能性を喧伝するというのは強引すぎるにも程がある、という感じです。

 「袋を開封してまた密封することは、ハイテクなど使わなくても普通の人でもできる」というのはおっしゃるとおりですが、通常の日本人には入手不可能な薬品に汚染された商品が、全国各地で見つかっているにもかかわらず、こういうことがいえる神経を疑います。だいたい、わざわざそんな偽装工作をしたところで、警察の科学捜査でわからないはずがありません。

 これだけ世界で話題になっているにもかかわらず、監督官庁の高官が、こんないい加減な責任逃れの発言ができるというのはどういう国なのでしょうか。

北京オリンピック。心の底から楽しみにしています。

スピルバーグ監督、北京五輪の芸術顧問を辞任

英皇太子、北京五輪開会式に出席せずと チベット問題で




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2008年1月12日土曜日

烏合の衆、ってこういうこと?

石原都知事、北京五輪開会式に出席へ=中国紙
過去には「ボイコットすべき」と発言

 中国共産党機関紙「人民日報」系の国際問題専門紙「環球時報」は11日、日本メディアの報道を引用し、かつて「北京五輪をボイコットすべきだ」という発言をしたことがある東京都の石原慎太郎知事が、今年8月8日午後8時に開幕する北京五輪の開会式に出席する予定だ、と報じた。
 石原都知事は、1937‐38年に旧日本軍が中国人約30万人を虐殺したとされる「南京大虐殺」を「中国人たちがでっち上げた事件」とするなど妄言を繰り返し、中国人たちの怒りを買っていた。北京五輪についても、2005年に「ヒトラーが主導した1936年のベルリン五輪と同じだ。ボイコットすべきだ」と述べた。
 そんな石原都知事が北京五輪の開会式に招待されたのは、最近の日中両国の雪解けムードと相まって、彼の中国に対する態度が180度変わったためだ。昨年4月、東京都知事に3回目の当選を果たした後、16年の夏季五輪を東京へ招致するために奔走する中で、「北京がオリンピックを成功裏に終えられるよう願っている」と数回にわたって発言し、周囲を驚かせている、と産経新聞が報じた。

 石原都知事のこうした「変貌ぶり」について、日本のネットユーザーの間では「東京と北京がこれ以上いがみ合うことがないと思うと嬉しい」「北京に行ってまたトラブルを起こすのではないかと心配だ」といった様々な反応が見られる。
 一方、中国のネットユーザーの間では、「なぜ態度が変わったのかは分からないが、まず南京に連れて行って謝罪させたい」という否定的な意見が多い。だが、環球時報によると、北京五輪組織委員会は「オリンピックを妨害しさえしない限り、われわれは誰もがオリンピックに参加することを歓迎する」と話しているという。

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今日、元都庁職員とお話する機会がありました。
いわく、「石原都知事の政策は都庁職員のなかでは規定路線で、タイミングうを見計らって、たまたま石原都知事の任期にやっただけのこと」ということを言ってしました。
(一番仕事をした都知事は、と聞くと、やはり、鈴木俊一さんという答えでした)

ちなみに、大阪府庁職員のブログを見ると、大田房枝府知事の無策は哀れだが、府民には理解されないが、「横山ノック知事」府政時が一番府政が進んだ時期だったといってました。

外と中では意見が違いますね。

さて、その人に言わせると、石原都知事の下、3期が過ぎようとしてますが、実績がないので、オリンピックにしがみついているそうです。

ファシズムオリンピックについては、かつての石原さんに同意見なのですが、東京オリンピック開催にしがみついて、北京に阿ってしまうの、という心配があります。

アメリカなどでは、スピルバーグや、リチャード・ギアなど、中国の政治体制について厳しい批判がありますが、日本の政治家、知識人が公式の場で、チベット問題、法輪講問題、ウイグル問題などを取り上げることはまずありません。

知識がないのですか。

中国政府の政策に疑問がないのですか。

それとも、言論の自由がないのですか。

石原都知事は、一地方の首長の立場では批判を恐れずに発言する政治家として、一目置かれる存在であることは間違いありません。

ただ、それだけに、「東京オリンピックがしたいから、中国に行くの?」と思われてもしかたがない、今回の発言は残念でなりませんけどね。

中国の姿勢に疑問を持つ声は国際社会の中ではすくなくないと思います。
その中で、なぜ日本の政治家は声を上げないんですかね。

1000人も議員がいたら、いろんな意見があってもおかしくないのに、こと、中国に対しては意見を上げる人がいないというのは、国民を声に鈍感なのか、あるいは民意を示していないということではないですか。

国会議員はこんなに必要なんですかね。

民主党主導の参院を見てからますますそう思うようになりました。




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