2008年2月29日金曜日

越えられない壁

中国側発表「看過できない」…警察庁長官が反論
(2008年2月28日22時00分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080228-OYT1T00496.htm

中国製ギョーザ問題 中国製冷凍ギョーザの中毒事件で、中国公安省幹部が中国国内で有機リン系殺虫剤「メタミドホス」が混入した可能性を否定した発言について、警察庁の吉村博人長官は28日の定例記者会見で、「看過できない」「こういうことを予告もなくポーンと出してくるのはいかがか」と厳しい口調で反論した。

 吉村長官は、<1>検出されたメタミドホスは不純物が多く、国内で流通していない<2>実験の結果、メタミドホスは袋の外側から内側には浸透しない<3>千葉と兵庫で中毒を起こしたギョーザが国内では別ルートで流通している――ことなどを挙げ、改めて「日本国内での混入の可能性は極めて低い」と強調。中国公安省刑事偵査局の余新民・副局長の28日の会見内容は「不可解な点が多い」と述べた。

 特に余副局長が「実験の結果、メタミドホスは袋の外側から内側に浸透する」として日本側の鑑定結果と全く逆の見方を示した点については、「科学的データをもらいたい」と疑問をなげかけた。

 警察庁によると、今月21、22の両日に来日した中国公安省幹部との協議や25~27日に北京で開いた会議では、日本側から、メタミドホスが検出されたギョーザの鑑定結果や袋の写真、ガスクロマトグラフィー質量分析装置によるメタミドホスの不純物の分析結果などを中国側に提供した。一方、中国側には、過去に河北省などで起きたメタミドホスを使った事件3件の捜査資料や、製造元の「天洋食品」(河北省)の工場内を撮影したビデオなどを求めているが、「探している」などとして提出されていないという。

 吉村長官は、余副局長が鑑定結果や証拠を日本に求めても提供されないと発言したことにも触れ、「誤解を招く言い方だ」と反発した。

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 毒物の手に入りやすさや、世界を席巻している中国製品の品質に対する評判といい、日本における流通経路や、警察の科学捜査の結果といい、状況証拠で言えば「真っ黒」なわけですが、逆ギレして居直る天洋食品、「袋の外から浸透した」とか、「中国国内でメタミドホスが混入した可能性は極めて低い」と嘯く中国公安省。チャイナリスクの健在ぶりを華麗にアピールという感じです。

 2007年11月27日、人民日報は26日、北京で開幕した「国際食品安全フォーラム」で、中国の輸出食品の品質合格率が99%以上であり、安心できる品質を維持し続けているという、国家質検総局李長江(リー・チャンジアン)局長の話を伝えた。
http://www.recordchina.co.jp/group/g13196.html

だそうですが、「仮に100袋の冷凍食品のうち、1袋から毒が検出されたとして、それが問題なんですか」という感じですか?

ロス疑惑の解明のため、アメリカ捜査当局に協力する警察庁や、日本で犯罪を犯してブラジルで捕まったブラジル人の代理裁判など、司法の国際的な連携が話題に上る昨今ですが、この国には、そういう普遍的な価値を共有できるようになるまでにはまだまだ時間がかかりそうです。



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