2008年3月3日月曜日

皮肉

【産経抄】3月1日
http://sankei.jp.msn.com/world/china/080301/chn0803010353000-n1.htm

 これでやっと中国が中国らしくなった。日本人の間から、そんな皮肉のひとつも聞こえてきそうだ。冷凍ギョーザ中毒事件をめぐり中国公安当局が「中国内で殺虫剤メタミドホスが混入された可能性は極めて低い」と発表したことである。

 ▼発生直後、中国は予想以上に「真相究明」への意欲を見せた。2月初めには検疫総局の幹部が「日中関係の発展を望まない一部分子」の犯行の可能性をにおわせ、工場内部犯行説も浮上した。中国も情報を公開し、国際的責任を果たす国に変わったのではとの期待を抱かせた。

 ▼ところが今回の発表では一切「真相」には触れない。しかも中国側の責任を全面的に否定する姿勢に転じた。国内の「政治事情」もあるのかもしれない。だがこれでは、都合の悪いことには一切口をつぐむという、これまでの中国に戻ったと言われても仕方あるまい。

 ▼中国の「真相隠し」の最たるものは1971年の林彪事件だろう。毛沢東主席に次ぐ実力者だった林彪副主席が毛沢東爆殺を企て失敗、逃げる途中に飛行機が墜落し死亡した。だが中国政府はこれほどの大事件を1年近くも「知らぬ存ぜぬ」で通しのだった。

 ▼事件は米中が急速に接近、中国の国連加盟が実現する直前に起きた。そんな時に、国のナンバー2がトップを暗殺しようとしたことが明るみに出るのは何とも都合が悪かったからだ。そして国際社会も中国の「真相隠し」に、まんまと一杯食わされたのだ。

 ▼現在の中国政府も、8月の北京五輪までギョーザ事件を封印し「安全な国」を装い通そうというのだろうか。案外それは「成功」するのかもしれない。なにしろ被害国の日本の福田首相が公安当局の発表を「非常に前向き」と評価しているのである。

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